2021.5.28
簡単&ラクちん!キッチンの換気扇・レンジフードの掃除方法
料理をするたびに汚れるキッチン。シンクやガスコンロはこまめにキレイにしていても、面倒だから…と後回しにしがちなのが換気扇・レンジフードです。大掃除のときに頑張ればいいや、と汚れをため続けているとますます掃除が大変に!今回はレンジフードの汚れの正体から、汚れたままにしておいてはいけない理由、自分で簡単に掃除するコツまでをご紹介します。
目次
油を使うガスコンロやクッキングヒーター周辺が油汚れでギトギトになるのは分かりますが、かなり上方にあるレンジフード(換気扇)までがギトギトに汚れるのはなぜでしょう?
実は、加熱された食材などから出る蒸気には油分も含まれているからなんです。油分を含んだ蒸気はレンジフードに付着します。そして、空気で冷やされることによって液体の油に戻ります。これがギトギトの油汚れの正体。
その油汚れに、換気によって集まった空気中のホコリや細かいゴミがくっついて、次第に黒っぽい汚れに。そのまま放っておくと、油汚れやホコリはどんどん蓄積されて、ちょっと拭いただけでは取れない頑固な汚れになってしまうのです。
レンジフード掃除を、年に1回、年末の大掃除にするというのはNG!ただでさえ気温が低く油汚れが落ちにくい年末に、1年間ため続けた油汚れを取り除こうとするのは至難のワザ。
少しでも簡単にラクにレンジフードをキレイにするなら「油汚れが蓄積しないうち」がポイント! 理想は3カ月に1回ですが、最低でも6カ月。年に2回掃除するだけでも時間も労力もグッと少なくて済みますよ。
レンジフードが汚れていても調理に大きな支障はないし…とスルーするのは大間違い! 以下のようないろいろな弊害が発生します。
レンジフードが汚れていると、その汚れをエサにしてカビや雑菌が繁殖します。ため込み放置したままの汚れが、調理中の鍋などに落ちてしまうと、健康にいいわけありません。最悪の場合は食中毒の危険性も。
レンジフードに油汚れがたまってしまうと、空気を吸い込む内部ファンに負担がかかり換気能力が低下してしまいます。すると、それだけ空気の取り込み・排出が悪くなるので、吸いきれない油汚れが部屋中に広がってしまうことに! また、湿気やニオイも室内にこもったままになります。
換気能力が低下すると、内部のファンを回すのにも余計なエネルギーがかかり電気代が増加してしまいます。蓄積された汚れが多ければ多いほど電気代にも悪影響が!
どの家電もそうですが、負担が大きい効率の悪い状態で使い続けていると故障の原因につながります。レンジフードも同じです。
また、汚れに含まれる水分などが原因で塗装面が腐食してしまう場合も。その結果、ステンレスが錆びてファンやフィルターが損傷。故障につながることもあります。
レンジフードのフィルターや内部に油汚れがたまったまま時間が経過すると、油が酸化して引火しやすくなります。最悪の場合はガスコンロの火が引火して、火事になってしまう可能性が。
面倒だから…と放っておくと、これほどいろいろな弊害があるなんてビックリですよね。じゃあ、早速掃除しなくちゃ!という気になりませんか。
そもそもレンジフードって、どこまで掃除すればいいの? 構造が複雑そうだから内部までは難しいのでは?といった声をよく聞きます。でも、難しく考えなくても大丈夫!
一般的なレンジフードの構造を大まかに説明すると、内部に空気を取り込み・排出するファンがあり、その外側に内部を油汚れからガードするフィルターがあって、それらを大きなレンジフードカバーが覆っています。
なので、掃除するのはレンジフードカバー、フィルター、ファンの3カ所でOK! この3つのポイントをそれぞれお手入れするだけと考えたら、気持ちがちょっとラクになりませんか。
・レンジフードの電源をオフにする
掃除中にレンジフードが作動してしまうと、怪我をしてしまう恐れがあります。電源は必ずオフにして、念には念を入れて電源プラグもコンセントから抜いておきましょう。
・レンジフードの下に新聞紙を敷く
掃除中に周囲に汚れや傷がつかないよう、保護することを忘れずに。ガスコンロやクッキングヒーターの上は必ず、床にも新聞紙などを敷きましょう。
・足場を確保する
フィルターやファンを外したり、レンジフードカバーを拭いたりと高い所での作業になるので、安全に掃除するために踏み台や乗ってもグラグラしない椅子などを用意して、安定した足場を確保しましょう。間違ってもガスコンロによじ登って…はNGです。
安心安全に作業ができる準備が整ったら、いよいよ掃除のスタートです。なるべく時間と手間をかけずに効率よく済ませる方法を、順を追って紹介します。
<用意するもの>
・スプレータイプの油汚れ用洗剤(キッチン用)
・食器洗い用中性洗剤
・ゴム手袋
・45リットル程度の大きめのゴミ袋数枚
・布テープ
・ファンが入る大きさのバケツまたは段ボール箱
・スポンジ
・ブラシ(古い歯ブラシでもOK)
・雑巾
・ドライバー(必要であれば)
・キッチンペーパー(必要であれば)
・市販の油汚れ用洗剤がおすすめ!
レンジフードの油汚れは酸性なので、反対の性質を持つアルカリ性の洗剤を使うことが最も効率よく汚れを落とすポイント!
ただし、市販されているとはいえ成分が強いので油汚れが落ちやすい反面、アルミ製のものは変色したり、塗装などが剥がれたりする恐れもあります。
・塗装されたパーツは食器洗い用洗剤で
黒く塗装されているフィルターなどのパーツは、いきなり油汚れ用洗剤を使うのではなく、食器洗い用中性洗剤で洗ったほうがリスクを回避できます。アルカリ性ではありませんが、食器や調理器具のギトギト油汚れをすっきり落としてくれることを考えても安心して使えます。
・重曹やセスキ炭酸ソーダは効果が弱い
ナチュラル掃除派さん向けに重曹やセスキ炭酸ソーダを使った掃除方法もよく紹介されています。重曹は弱アルカリ性で研磨力も期待できますが、効き目が穏やかな分、時間も労力も必要になってきます。
重曹よりアルカリ度が高いセスキ炭酸ソーダを熱湯に溶かして効き目をアップさせたセスキ炭酸ソーダ沸騰水を使う方法もありますが、作るのに手間がかかるうえ、市販の油汚れ用洗剤と比べると効果は劣ります。
市販の油汚れ用洗剤で蓄積されてしまった油汚れを一度すべて取り除いてから、1~2カ月おきに1回など短いスパンで掃除するなら重曹やセスキ炭酸ソーダを使うのもありです。
フィルターやファンなどのパーツは、キッチンのシンクで洗います。パーツから落ちた汚れでシンクがベトベトになったり、傷がつかないように、ゴミ袋をハサミで大きく開いてシンク全体を覆いましょう。
ゴミ袋が動かないように端に布テープを数カ所貼ってシンクに固定し、排水が流れるよう排水口部分のゴミ袋に穴をあけておきます。
排水には油にまみれたホコリがたくさん含まれているので、排水口のゴミ受けにネットなどをつけておくことを忘れずに!
パーツの取り外し方が書かれている取扱説明書などを参考にして、まずはフィルターを外します。レンジフードのタイプにもよりますが、浅いレンジフードカバーで覆われているものはフィルターがねじで留まっている場合が多いので緩めて外します。大抵は手で簡単に緩めることができますが、難しい場合はドライバーを使いましょう。
レンジフードカバーが深く長いタイプは、フィルターに取っ手がついているものが多いので、その取っ手を持って上にずらせば簡単に外せます。
吸い込む空気を一定に整えるための整流板付きのレンジフードの場合は、まずその整流板を外す必要があります。大抵は左右のストッパーをずらすだけで外れますが、ねじで固定されている場合は緩めて外してから、取っ手を持ってフィルターを外します。
フィルターを外したら、縦長の羽根がたくさんついた円筒型のシロッコファンが見えてきます。ファンの手前には、ファンを固定するベルマウスという円盤状のカバーがねじで固定されているので、ねじを緩めて外します。
続いて、ファンの中心にある大きなねじを緩めてファンを外しますが、ねじが緩んだことでファンが落ちてくると危ないので、必ずファンを手で固定したまま行ないましょう。ファンは下に引っ張って取り外します。
塗装されていないファンやベルマウス、外したねじには油汚れ用洗剤が使えますが、その前に油汚れを緩めておくとその後の作業がグッとラクになります。
ゴミ袋を中に入れたバケツ(段ボール箱)の中にファンやベルマウスを入れ、40~50℃のお湯を入れて浸します。お湯だけでも油汚れは緩みますが、さらにパワーアップさせるならお湯5リットルに対して食器洗い用中性洗剤50mlを目安に入れても。
ファン全体が浸かるようにゴミ袋の口をしっかり閉じて、1時間ほど置いておきます。
ファンをつけ置きしている間に、整流板を洗います。塗装されていない整流板なら油汚れ用洗剤を使っても大丈夫です。シンクに整流板を置き、外側と内側の両面に油汚れ用洗剤をスプレーし、スポンジで油汚れを洗い落してから、ぬるま湯ですすぎます。
塗装されている場合は食器洗い用中性洗剤を使いましょう。最初に40~50℃のお湯を整流板全体にかけて油汚れを緩めてから、スポンジを食器洗い用中性洗剤で泡立て、柔らかい面でこすり洗いします。内側も忘れずに。
洗い終わったら、乾いた雑巾で水けを拭き取って乾かしておきます。
レンジフードカバーの内側は塗装されていない場合が多いので、油汚れ用洗剤をスプレーしたスポンジでこすって汚れを落とします。直接スプレーしてしまうと周囲へ洗剤が飛び散ったり、液だれ・拭きムラの原因になるのでNGです。その後、ぬるま湯で絞った雑巾で洗剤成分と汚れを拭き取ります。
外側も塗装されていなければ、油汚れ用洗剤をスプレーした雑巾で上から下へ一方向に洗剤拭きし、その後ぬるま湯で絞った雑巾で仕上げ拭きすればOK。
塗装されている場合は、食器洗い用中性洗剤を使ったほうが安心です。ぬるま湯に食器洗い用中性洗剤を溶かした洗剤液で雑巾を絞り、拭き掃除を。拭いただけでは簡単に落ちないときは洗剤液に浸したキッチンペーパーをしばらく貼り付け、油汚れを緩めたあと拭き取りましょう。あとはぬるま湯で絞った雑巾で仕上げを。
・塗装されていないフィルターの場合
油汚れ用洗剤を使っても大丈夫です。シンクにフィルターを置き、全体に油汚れ用洗剤を表裏両面にスプレーして15分ほどおいておきます。
時間がきたら、スポンジで汚れをこすり落とします。網目に詰まった汚れはブラシでかき出しましょう。最後に、ぬるま湯で洗い流せば終了です。
・塗装されているフィルターの場合
食器洗い用中性洗剤を使います。最初に40~50℃のお湯を全体にかけて油汚れを緩ませます。次に食器洗い用洗剤を泡立てたスポンジの柔らかい面でなでるようにやさしく洗っていきます。網目に詰まった汚れはブラシでかき出しますが、その際もゴシゴシは禁物! スポンジ洗い同様なでるようにやさしくかき出して。
全体を洗ったら、いったんお湯で洗い流します。汚れの残り具合をチェックして、まだ汚れているようならスポンジ&ブラシ洗い → お湯で洗い流す、を繰り返しましょう。
少し面倒かもしれませんが、細かい網目部分は塗装が剥がれやすく、剥がれてしまうとサビの原因になったりその後のお手入れが大変になるので、慎重に行ないましょう。洗い終わったら、乾いた雑巾で水けを拭き取って乾かしておきます。
ここまで終了したら、つけ置きしておいたファンの頑固な油汚れもそろそろ緩んでいる頃です。ゴミ袋から取り出し、シンク内へ移して全体に油汚れ用洗剤をスプレーします。羽根の奥までしっかりと。ベルマウスや外したねじも同様です。
15分ほどおいてから、スポンジとブラシを使って、羽根の奥や細かい部分までしっかりこすって汚れを落とします。汚れを落としたらぬるま湯で洗い流し、乾いた雑巾で水けを拭き取りましょう。
キレイになったパーツ類をファン → ベルマウス → フィルター → 整流板と外したと逆の順番で元に戻し、シンクやバケツをカバーしていたゴミ袋を処分すれば完了です!
・レンジフード掃除は3カ月に1回、最低でも6カ月に1回は行なう
・お手入れするパーツや場所は、塗装の有無によって洗剤を使い分ける
・頑固な油汚れは、つけ置きやお湯で汚れを緩めておく
ハウスクリーニングなどの専門業者に依頼すると1万円以上の料金がかかってしまうレンジフード掃除。最初は手順が多く大変そうに思えますが、やってみると意外に難しくないことが分かります。
自分でもできる!を実感したら、あとは汚れをため込まないよう定期的にお掃除するだけ。換気効率がよくなったキッチンで快適なお料理を楽しんでください。