2024.9.6
【小1の壁】正社員からパートで後悔?キャリアを諦めない選択肢も
子どもが小学校に進学する際、仕事と育児の両立が難しくなる小1の壁を感じて、正社員からパートへの移行を検討する共働き夫婦は多いはずです。
しかし、正社員からパートへの移行は収入面やキャリア面で大きな変化があり、性急な判断をしてしまうと後々後悔することも。
そこで小1の壁を乗り越えるための具体的な対策から正社員を諦めない選択肢までお伝えします。
小1の壁で悩む共働き夫婦の方は、ぜひ目を通してみてください。
目次
厚生労働省の「仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査」によると、「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」方の割合は28.5%に及びます。
このように小1の壁とは、共働き家庭において、子どもが小学校に進学する際、仕事と育児の両立が難しくなる問題です。
延長保育を利用できる保育園と異なり、小学校では学童保育を利用しても子どもの預かり時間が短くなってしまいます。また、小学校ではPTAや学校行事など保護者が参加するイベントが増えるため、保育園と比べて負担が大きくなると言われています。
夏休みなどの長期休暇中には学校はお休みになるので、その期間中の子どもの預け先(預けない場合には、誰が子どもの面倒を見るのか)の検討も必要です。
こういった理由から、小1の壁は、子どもが小学校に上がるタイミングで労働時間の長い正社員からパートへの移行を検討するきっかけになるのです。
小1の壁によってどのような変化が生じるのか、具体例をいくつか挙げます。
・下校時間が変わる
・PTA活動に参加する
・各種学校行事(運動会、授業参観など)が増える
・学童保育の預かり時間は18時前後まで
・宿題や持ち物のチェックが必要
・長期休暇がある
小1の壁に直面し、育児と仕事の両立に悩む共働き家庭が増えています。
「できれば正社員を続けたい」「管理職に昇進したから、もっとキャリアを高めていきたい」など、働き盛りの世代だからこそ仕事へのモチベーションは高い方が多いでしょう。
一方、物理的・精神的にフルタイムで仕事を続けるのが難しいと痛感するタイミングで、正社員ではなくパートタイムへの移行を検討することも。
いずれにしても大切なことは、自分や配偶者の状況を正しく把握し、双方の意志や子どもの性格などを考慮した上でどうするかを決めることです。
十分に考えたうえで決断するために、小1の壁にはどのような課題があるのかをみていきましょう。
保育園では、延長保育を利用すれば仕事で遅くなるときも子どもを安心して預けられます。
一方、小学生になると、学童保育を利用しても一般的に18時前後までしか子どもを預けられないため、どれだけ仕事が忙しくてもその時間を厳守しなければいけません。
民間学童を利用すれば遅い時間まで預かってもらうことはできますが、利用料金は1ヶ月あたり30,000円〜50,000円程度かかりますので家計のやりくりが必要です。
正社員からパートへの移行を検討するきっかけの一つが、小1からはじまる夏休み・冬休み・春休みのような長期休暇です。
小学校1年生では、まだ一人で電車に乗って実家に帰ったり、友だちと外に遊びにいくことも難しいので、基本的には家族のいる家で過ごす時間が多くなります。長期休暇中は、子どもや家族のご飯を3食用意したり、子どもの見守りや宿題のサポートといった必要があり、思うように仕事の時間が取れなくなるでしょう。
定期的に提出される宿題・課題も、小1の壁の一つです。宿題の種類によっては、保護者の確認が必要なものもあるため、サポートの負担が増えます。
塾や家庭教師を活用する手もありますが、費用がかかる上、結局、塾でわからなかったことを保護者に聞くことになります。
また、宿題をしたり、毎日学校で必要な持ち物を用意するのは、子どもにとっても新しい習慣です。子どもに宿題や持ち物チェックを習慣づけてもらうために、両親から子どもに対する定期的な声掛けも必要になります。
PTAや授業参観など、保護者が参加する学校行事が増える点を小1の壁と感じる方が多いようです。
学校行事のなかには運動会や音楽会のように日にちを選べないものがあります。「子どもの頑張る姿を見たいけれど、正社員だと重要な商談などどうしても外せない、予定と被ってしまうと参加できない…」といったことも起こります。
また、PTAも大きな負担になるでしょう。持ち回り、投票など、地域や学校によって選任方法は異なりますが、役員になれば定期的な会議(多くは平日日中に開催される)への参加、学校行事の準備や当日の運営サポート、バザーや模擬店など学校や地域のイベントの運営や手伝い、地域パトロールといったさまざまな活動に参加しなければなりません。
小1の壁にぶつかったとき、時間的な猶予がないことや将来的な不安から、正社員を辞めてパートになる決断を急いでしまうこともあります。
しかし、性急な判断により、かえって将来的にキャリアや収入面で悩み、「パートにならなければよかった!」と後悔するケースも。
そこで、正社員を辞める判断をする前にするべきことをみていきましょう。
夫婦で時間を取って小1の壁にぶつかったときの課題を話し合えば、子育てや家事を上手く分担できます。
また、放課後NPOアフタースクールが実施した「小1の壁に関するWEBアンケート調査」によると、仕事と家庭の両立のためには「配偶者の理解」が必要だと、67.1%の方が回答しています。
家事・育児の負担がどちらか一方に偏ることを防ぐ意味でも、夫婦の話し合いは有効な手段です。
家事・育児・仕事などを細分化して、自分にとっての優先度を整理すると、小1の壁に際して解決すべき課題が明確になります。
例えば、先述した夫婦の話し合いだけでなく、場合によっては子どもとの話し合いも必要になります。
特に重要なのは、自分の人生を中長期的に見たときに、何が一番大切なのかを見極めることです。その結果、子どもを第一優先にしたいのであれば、正社員からパートに移行したり、会社員ではなくフリーランスとして働くといった選択肢を取るでしょう。
もちろん、子どもと仕事を同じ土俵に乗せて考えるのは難しいことは言うまでもありません。しかし、冷静な決断をするためにも、一度割り切って自分の本音と向き合うことをオススメします。
小1の壁にぶつかり正社員からパートへの移行を検討する前に、職場の子育て支援や福利厚生を調べるのがおすすめです。
例えば、企業によっては、キッズシッターや児保育費用の補助金が支給されたり、時短勤務が認められる場所があります。また、近年では男性が育児休暇を取得できる企業もあるため、夫婦それぞれの会社で利用できる制度を調べるのが良いでしょう。
制度を活用したからといって小1の壁をラクラクと乗り越えられるとは限りませんが、家族と協力すれば正社員との両立が少しでも現実的になるかもしれません。
「正社員と育児を両立するのは大変だけれど、キャリアを諦めたくない」という方におすすめなのが、雇われる以外のフリーランス、自営業などの働き方です。
フリーランスや自営の場合、培ってきたキャリアを活かせるうえに、働く時間帯や仕事量を調節できます。一方、正社員やパートと比べると、収入や仕事の安定感が欠ける点は注意が必要です。
また、健康保険や年金など、会社と負担を折半していた費用が全額負担になるので、収入が変わらなくても実質的な手取り額が減ってしまう可能性も。
正社員からパートになるメリット・デメリットを正しく把握することが、後悔ない判断につながります。
例えば、パートになるとシフトの調整がしやすく、時間的・精神的に余裕ができる反面、キャリアの停滞や再就職への懸念が生じます。
先述したように、自分の優先度と照らし合わせながら、働き方を選択しましょう。
正社員とパートに関する理解を深めることは、自分や家族にとって最適な働き方を選べるため、小1の壁対策としても重要です。
それぞれの利点を比較することで、「自分がどのような働き方をしたいのか」「将来まで見越して後悔しない選択」について考えてみましょう。
正社員として働く具体的な利点は下記になります。
・収入が安定する
・家庭とキャリアを両立しやすい
・福利厚生を利用できる
・社会的信用度が高い
・産休、育休、有給などを利用できる
・健康保険や年金などの負担を会社と折半できる
小1の壁にぶつかると、働き方をすぐに変えなければと思いがちですが、福利厚生や休暇、社会的な信用など、子どもを育てる際の利点も多々あります。また、経済的な観点でも、正社員の方が優遇される面も多々あります。
会社勤めをしているとどれも当たり前に感じがちですが、退職すれば当然なくなります。正社員かパートで悩んでいる方は、一人で抱え込まず会社側に相談してみるのも良いでしょう。
パートとして働く具体的な利点は下記になります。
・働く時間、タイミングを調整しやすい
・自宅の周辺で職場を探しやすい
・精神的なゆとりができる
・家事・育児に時間をかけられる
・学校行事やPTAなどの活動にも参加しやすい
パートには、精神的、時間的にゆとりを持てるメリットがある反面、収入やキャリア面では不安が残ります。
もし、正社員をやめずに働き続けたいと思っている場合は、後述するパート以外の選択肢に目を向けてみるのが良いでしょう。
小1の壁にぶつかっても正社員として働き続けたい場合、仕事と育児を両立できるか心配な方は多いはずです。
これまでご紹介してきたように、自分の優先度を確認したり、会社で利用できる制度を活用することとあわせて、家事や育児の負担を軽減するサービスの利用も視野に入れましょう。
ここでは、正社員からパートになる以外の選択肢として、行政や民間の便利なサービスを紹介します。
キッズシッターは、子どもの身の回りの世話から料理、掃除まで依頼できるサービスです。一般的に0~12歳くらいまでの子どもを預かってもらえるので、小1の壁対策としても活用できます。
また、家事、育児だけでなく、ペットの世話など、さらに幅広い依頼をしたい方には、完全オーダーメイドのご家庭サポートを提供している「きらりライフサポート」のようなサービスもおすすめです。
子どもに不安な思いをさせたくないけれど、正社員として働き続けたいときに活用したいのが、自治体・行政のサービスです。
例えば、育児のサポートをしたい会員とサポートを受けたい会員によって、相互の子育て支援活動が行われているファミリー・サポート・センター事業なら、学童保育や帰宅後に子どもの見守りを依頼できます。
また、民間サービスと比べて1時間当たりの費用が800円~1,000円ほどと、リーズナブルなのがメリットです。
公営の学童保育は18時前後までの利用がほとんどのため小1の壁にぶつかってしまいますが、民営の学童保育なら夕方以降の預かりに対応している施設があります。
施設によっては塾を兼ね備えていたり、送迎サービスもあるため、宿題のサポートや送迎が不安な方でも安心して利用可能です。
一方で、公営の学童保育と比べると料金が割高になる場合が多い点だけ、事前に確認しておきましょう。
共働きの夫婦の場合、家事や育児の適切に分担することで、パートにならなくても家事と育児を両立できる場合があります。
例えば、パパとママで休日が異なる場合や、極端に家事分担が偏っていた場合、話し合いにより上手に家事や育児を分担すれば、両立が可能になるかもしれません。
また、家事・育児を分担する際は「Yieto」のように、スムーズな家事・育児の分担をサポートするアプリを活用するのも良いでしょう。
小1の壁にぶつかったときこそ、夫婦だけで解決しようとせずに身近な人の手を借りることも検討したいですね。特に、祖父母の家が近い場合、両親の帰宅時間まで子どもを預かってもらえるかを相談してみると良いでしょう。
慣れ親しんだ祖父母の家なら、子どもも安心して過ごせます。もし、祖父母をはじめとする身近な人に預けるときは、預かりを依頼できない日にも備えて代わりの預かり先まで決めておくと安心です。
正社員からパートになるだけでなく、「きらりライフサポート」のようなご家庭サポートサービスを活用することでも小1の壁を乗り切れます。
「きらりライフサポート」なら、子どもの世話に加えて料理や洗濯、ペットの世話まで幅広い依頼が可能です。また、基本的に専任制なので、信頼できる担当者に安心して子どもを預けられます。
入会金5,500円、利用料は1時間2,530円~とリーズナブルな価格で利用できるのも嬉しい点です。
小1の壁にぶつかっている方は、ぜひ家事や育児の相談を「利用申込み」より、気軽にご相談ください。